仏教の教え
世界には多くの宗教があります。その中で、国家・民族を超えて世界で広く信仰されている宗教を世界宗教といいます。現在、世界宗教としては仏教、キリスト教、イスラム教の三つがあげられ、これを三大宗教と呼んでいます。
仏教は、紀元前5世紀ごろ、インドでゴータマ・シッダッタ(お釈迦さま)によって開かれました。シッダッタは、真実(縁起の法)に目覚め、人生の根本問題の解決の道を説かれました。
「このいのちはどこから生まれて、どこへ向かうのだろうか」
そのような、人生そのものの問いは私たちも少なからず感じたことがある根本的な問題ではないでしょうか。お釈迦さまは29歳の時にこの問題に直面する事となり、35歳で真実に目覚められ、おさとりを開かれ、仏さま(真実に目覚めた者)に成られました。
このようにして、お釈迦さまの開かれた教えのことを、仏さまの教えという意味で、仏教といいます。さらに仏教は、その教えを聞いた人も真実に目覚めるので、仏さまに成る教えでもあります。私たちは仏教を聞き、仏さまに成らせていただく人生を歩ませていただいているのです。
浄土真宗の教え
お釈迦さまは、聴く人の性格や能力に合わせて様々な教えを説かれた(対機説法)ので、様々な教えが伝わることになりました。そして、インド・中国・日本と仏教が伝わってくる中で、様々な宗派が生まれました。日本でも、仏教の中に多くの宗派が生まれましたが、その中でも親鸞聖人が開かれた教えが浄土真宗です。
仏教は、仏さまの教えであると同時に仏さまに成る教えですから、煩悩をなくしてさとる(真実を体得する)ことを目指しますが、煩悩をなくすことができない人は、どうすればいいのでしょうか。
親鸞聖人は、煩悩をなくすために一生懸命修行をされました。しかし、修行をすればするほど見てきたものは、煩悩だらけの自分の姿でした。
その煩悩だらけの私を目当てとしてお救い下さるお方が、浄土真宗の御本尊「南無阿弥陀仏」という仏さまです。この仏さまは煩悩を抱えたこの身このままを救いの対象とし、いのち終わったその時に仏さまに成らせるとお誓い下さいます。
他でも無いこの私が今ここでそのお救いの教えに出会う。それが浄土真宗です。